専門知識外国人材と共に創る、介護の未来:体系的な教育と伝わるマニュアルが定着の鍵2026.1.20

深刻な人手不足に直面する日本の介護業界において、意欲あふれる外国人材は、まさに希望の光です。2025年には約32万人の介護職員が不足すると予測される中 [1]、彼らの活躍なくして日本の介護の未来は描けません。実際に、多くの介護施設がすでに外国人材を受け入れ、その若い力と多様な視点が現場に新しい風を吹き込んでいます。
しかし、その一方で、多くの施設が言語や文化の壁、コミュニケーションの齟齬(そご)といった現実に直面しています。
「熱意はあっても、専門的な介護技術や理念がうまく伝わらない」
「マニュアルを渡しても、本当に理解してくれているか不安」
「ささいな誤解から、日本人スタッフとの間に溝ができてしまう」
こうした課題は、外国人材の早期離職にもつながりかねない深刻な問題です。
外国人材が真に活躍し、長く働き続けてくれるためには、場当たり的な指導ではなく、体系的な教育プログラムと、誰にでも「伝わる」業務マニュアルが不可欠なのです。
なぜ、「教えたつもり」ではうまくいかないのか?
外国人材の受け入れがうまくいかない背景には、いくつかの共通した課題が存在します。
⚫️課題分類 具体的な内容
言語・文化の壁 利用者様とのコミュニケーションはもちろん、高齢者特有の表現や方言、日本の介護現場における暗黙の了解などを理解するのは容易ではありません。また、死生観や家族観といった文化的な背景の違いが、ケアに対する考え方の違いとして現れることもあります。
⚫️コミュニケーションの齟齬(そご)
「はい」と返事をしていても、実は完全には理解できていないケースは少なくありません。遠慮や、分かっていないことを知られることへの羞恥心から、質問できずにいることも多いのです。曖昧な表現を避け、ジェスチャーを交えながら、根気強く「伝わる」コミュニケーションを工夫する必要があります。
⚫️教育・研修体制の不備
多くの施設では、既存の日本人向けマニュアルをそのまま使用したり、現場でのOJT(On-the-Job Training)のみで指導を済ませたりするケースが見られます。しかし、それでは専門用語の理解や、介護の根底にある理念の共有は困難です。結果として、指示された作業をこなすだけになり、応用力や主体性が育ちません。
上記のような課題が解決されないままでは、外国人材は「自分はここでは役に立てない」と感じ、孤立感を深めてしまいます。給与や労働時間といった待遇面だけでなく、こうした職場環境への不満や、期待と現実のギャップが、定着率の低さや高い離職率の大きな原因となっています [2]。
これらの課題は、個人の努力だけで乗り越えられるものではありません。施設全体として、外国人材を「お客様」ではなく、共に未来を創る「仲間」として迎え入れ、育てるための仕組みづくりが求められています。
課題解決の鍵は「オーダーメイドの仕組み」
では、具体的にどのような仕組みを構築すればよいのでしょうか。鍵となるのは、以下の3つの要素です。
1.わかりやすい業務マニュアルの整備
・「やさしい日本語」の活用: 専門用語を避け、短い文章と簡単な言葉で表現します。全ての漢字にふりがなを振るなどの配慮も有効です。
・視覚的な情報の活用: 写真やイラスト、図解を多用し、言葉だけでなく視覚的に理解を促します。一連の作業を動画マニュアルにするのも効果的です。
・多言語対応: 可能であれば、母国語の翻訳を併記することで、初期の理解を格段に深めることができます。
2.体系的な教育・研修プログラムの導入
・OJTとOff-JTの連携: 現場での実践的な指導(OJT)と、集合研修などの座学(Off-JT)を組み合わせ、知識と技術をバランスよく習得できる機会を提供します。
・メンター制度の導入: 新人の外国人材一人ひとりに対して、相談役となる日本人スタッフ(メンター)を配置します。業務のことから日本での生活の悩みまで、気軽に相談できる存在がいることは、大きな精神的支えとなります。
・文化交流の機会創出:お互いの国の文化を紹介しあったり、食事会を開いたりするなど、スタッフ間の相互理解を深める機会を意識的に設けることが、良好なチームワークにつながります。
3.継続的なキャリアパスの提示
介護福祉士などの資格取得支援や、リーダー職への登用など、将来的なキャリアの展望を示すことで、学習意欲と仕事へのモチベーションを高め、長期的な定着を促します。
専門家の視点で、貴施設だけの「最適解」を導き出す
これらの仕組みを自施設だけで構築するには、多大な時間と労力がかかります。どこから手をつければよいか分からない、という方も多いのではないでしょうか。
そのような時にこそ、私たち一般社団法人キクトコのような外部の専門家をご活用ください。
キクトコの介護コンサルティングは、単に一般的なノウハウを提供するだけではありません。私たちは、長年介護現場に携わってきた経験豊富なコンサルタントと、外国人材の視点を持つスタッフがチームを組み、それぞれの施設の具体的な課題や状況を丁寧にヒアリングすることから始めます。
キクトコが提供する価値
⚫️現場に即したオーダーメイドの支援:監理団体や登録支援機関では対応しきれない、実務レベルの細かな課題にも柔軟に対応し、貴施設だけの「最適解」となる支援計画をご提案します。
⚫️「伝わる」マニュアル作成支援:「やさしい日本語」の導入から、文化的な背景を考慮した表現の調整まで、外国人材が本当に理解できるマニュアル作りをサポートします。
⚫️文化的なギャップの解消:無意識の偏見(マイクロアグレッション)を防ぐための研修や、異文化理解を促進するワークショップなどを通じて、日本人スタッフと外国人材の間の心理的な壁を取り払います。
・伴走型の継続的なサポート:仕組みを導入して終わり、ではありません。導入後の効果測定や、新たに発生した課題への対応など、継続的に寄り添い、貴施設の自走をサポートします。
おわりに
外国人材は、人手不足を補う「労働力」であるだけでなく、組織に新たな視点と活気をもたらし、サービスの質を向上させてくれる「人財」です。彼らが持つ能力を最大限に引き出し、共に成長していくためには、受け入れ側の環境整備が不可欠です。
もし、外国人材の教育や定着にお悩みでしたら、どうぞお気軽にキクトコにご相談ください。初回のご相談・お見積りは無料です。共に手を取り合い、貴施設の、そして日本の介護の明るい未来を創造していきましょう。
参考文献
[1]: 厚生労働省「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」
[2]: 株式会社エイムソウル「外国人材の離職と定着に関する調査」