お知らせ外国人労働者雇用管理指針の改正について2026.6.15

1.改正の背景と趣旨
厚生労働省は5月15日、労働政策審議会の職業安定分科会で「外国人雇用に関する事業主向け指針」の見直し案を示し、了承されました。
この改正は、2027年4月1日施行の「育成就労制度」の創設を見据えたものです。また、不法就労防止のため適切な雇用管理を事業主の責務と位置付け、雇い入れ時や離職時の届け出を怠ると罰則の恐れもあると運用の徹底を求めています。
今回の改正は6月以降、順次適用されます。
2.主な改正内容
(1)事業主の責務と基本的考え方の強化
① 事業主は、外国人労働者が能力を有効に発揮できるよう雇用管理を改善するだけでなく、離職時の再就職援助に努める責務があることが明記されました。
② 日本人職員が共生社会を理解し協力すること、また外国人職員が日本の文化やルールを理解し、責任ある行動をとれるよう支援することが事業主の重要な役割となります。
(2)適正な労働条件の確保と差別禁止
① 短時間・有期雇用、または派遣で働く外国人に対し、不合理な待遇差を設けることが禁止される指針の適用が明記されました。
② 求人募集にあたり、国籍による差別的取扱いをしないよう配慮し、違法な手数料を徴収するような悪質な紹介事業者を利用しないことが求められます。
(3)生活支援と日本語教育の推進
① 事業主は、外国人職員およびその家族に対し、日本語学習の機会提供や支援に努める必要があります。
② 行政・医療・金融機関等に関する情報提供や同行支援など、日本社会への適応を円滑にするための配慮が盛り込まれました。
3. 育成就労制度への対応(2027年4月〜)
新設される「育成就労」の在留資格で働く外国人についても、適切な雇用管理を行うことが規定されました。
☑️ 転籍(職場移動)への対応: 育成就労制度では、一定の条件(日本語能力や就労期間など)を満たせば、同一職種内での「転籍」が認められるようになります。社会福祉法人としては、選ばれる職場づくりの重要性がさらに高まります。
4.2026年6月14日から施行される改正内容
今回の改正指針は、施行時期が3段階(令和8年6月14日、同年10月1日、令和9年4月1日)に分かれており、今年の6月14日から適用される主な内容、又は強調されているポイントは以下の通りです 。
(1)事業主の責務の明確化(基本的考え方)
① 労働施策総合推進法に基づき、事業主は外国人労働者の雇用管理の改善だけでなく、離職時の再就職援助に努める責務があることが改めて明記されました 。
② 不法就労防止を徹底し、違反した場合には入管法の罰則が適用され得るという認識の下、適切な措置を講ずべきことが強調されています 。
(2)適正な労働条件の確保(待遇差の禁止)
① 短時間・有期雇用労働者や派遣労働者である外国人に対し、不合理な待遇差を禁止する指針(いわゆる同一労働同一賃金に関する指針)が適用されることが明記されました 。
(3)募集・採用の適正化
① 求人申込み等において、国籍による差別的取扱いをしないよう配慮することが求められます 。
② 違法な保証金の徴収などを行う悪質な職業紹介事業者等からは、あっせんを受けないよう留意する必要があります 。
(4)生活支援と日本語教育の推進
外国人労働者本人だけでなく、その家族に対しても、日本語学習の機会の提供や、日本での生活に必要な情報の提供(行政、医療、金融機関の利用方法など)に努めることが盛り込まれました 。
(5)苦情・相談体制の整備
外国人労働者からの苦情や相談に対し、適切に対応するための体制を整備することが求められています 。
(6)在留カード等読取アプリケーションの推奨
在留カードにより確認を行う場合は、当該外国人労働者の同意を得た上で、出入国在留管理庁が提供する在留カード等読取アプリケーションを使用して取得した当該外国人労働者の在留カードに組み込まれた半導体集積回路に記録された情報と、当該在留カードの券面の記載を照合させることが適切である
この6月の改正は、主に現在の雇用管理における基本的な考え方や、共生社会の実現に向けた配慮事項を強化する内容となっています 。
なお、外国人雇用状況届出の運用改善(マイナンバーカード等による確認)については2026年10月から、新制度である「育成就労制度」に関連する規定は2027年4月からの適用となります 。